前回の「小論文と作文の違い」を読んだ方は、小論文について理解を深めていただけたかと思います。
では実際に原稿用紙を机に置いてペンを手に取ってみても、「何を書けばいいの!?」となかなか筆が進まない人も多いと思います。
小論文教室②では具体的な小論文の書き方を5つのポイントと、小論文で高い評価を得るために必要な力を4つ紹介したいと思います。
この記事を読みながら「小論文を書く」ということを少し具体的にイメージしてみてください。
小論文を書くときに大切な5つのポイント
まずは小論文を書くときに意識すべき5つの重要なポイントを紹介していきます。
STEP1 まずは設問の意味をしっかりと読み取る!
小論文では必ず「テーマ」が与えられます。そのテーマの中身、つまり何を問われているのかを正確に読み取る必要があります。この「読み取る」ことができなければ、お門違いな意見を書き綴ってしまうことになります。テーマをしっかり理解し、出題者の意図を汲み取ることから始めましょう。
STEP2 資料の内容をしっかりと読み取る!
テーマの意味をしっかりと理解したら、次はテーマに関する資料にしっかりと目を通りましょう。資料にはテキストや図表などがありますが、その中にある重要なポイントかどこかを的確に判断します。テキスト資料であれば、執筆者がどんな意見を述べているのかということと、その理由・論拠を理解します。また図表の資料なら数値をよく見て「つまり何が言いたいのか」をしっかりと読み取る必要があります。このとき、あなたの主観的な考えではなく、あくまで客観的な目線で読むことが大切です。
STEP3 小論文の構想を考える
テーマや資料の意味を読み取ることができたら、いよいよあなたの意見を述べるときです。資料の内容に対して自分の意見と照らし合わせたり、疑問点がないかを調べたりします。ときには意見を否定する必要があるかもしれませんし、肯定する場合もあると思います。どんな意見であっても必ず「論拠」の元に意見を述べられるように準備しておきましょう。ただ感情的に否定したり、なんとなくではなく、「私は〇〇だと考える。なぜなら〇〇だから」といったような書き方をしましょう。
STEP4 文章構成を考える
STEP3であなたの意見がまとまったら、次はあなたの考え、意見と、その論拠を正しい筋道を立てて書いていくのですが、実際に書き出す前に全体の文章の流れを決めるとことから始めましょう。行き当たりばったりで書くのではなく、全体の大きな流れを決めておくとスムーズに書くことができます。
STEP5 あなたの意見を表現する
実際に段落を適切に分けながら文章にしていきます。このとき難しい言葉をやたらと使い過ぎたり、適切ではない言葉を使ったりして「自己満足な文章」にならないようにしましょう。コツは「わかりやすい表現」です。読み手が内容を理解しやすいように表現するのがベストです。意見と論拠を書くときには特に読みやすさを注意して書くと良いでしょう。
小論文を書くための4つの力
小論文を書く上で、この力を深めていくと、良い小論文が書けると言われている「力」があります。
その力はこちらの4つです
- 読解力
- 発想力
- 論理的思考力
- 表現力
読解力
読解力は先ほどの5ステップの中でいうと、「設問を読み取る」、「資料を読み取る」の部分になります。
正しくテーマを読み取ること、資料の内容を読み取ることは小論文を書くスタートラインなのでとても重要です。
ここがうまくいかないと、この後の行程全てが低評価につながってしまいます。
発想力
こちらはSTEP3の構想を考えるという部分で力を発揮しいます。
テーマに対して、また資料の内容に対してあなた独自の意見を生み出すことによって
より厚みのある小論文に仕上がることでしょう。
論理的思考力
こちらはスバリ、「筋道を立てて書く力」です。あなたの意見と、その論拠をしっかりとつなげながら書いていく力が必要です。
つじつまが合わない部分や、説明が足りない部分があるとそこが低評価につながる可能性があります。
表現力
あなたが書いた小論文を読むのは他人です。あなたの言葉で書き、あなたの考えかたとその論拠を書くのですが、
しっかりと読み手に伝えなければいけません。
このとき表現力が高いと、わかりやすく読みやすい文章を書くことができます。
頭の中にある考えを正確に相手に伝えるというテクニックを身につけましょう。
最後に
小論文を書くときの5つのポイントと、小論文を書くための4つの力をご紹介しました。
小論文に慣れていない方は、いまいちピンとこない方も多いのではないでしょうか。
もちろんこの記事を読んだだけで完璧にマスターする必要はありません。
大切なのはAO入試専門塾などでの小論文対策で練習することです。
わからないことは講師の先生に尋ねたり、もう一度この記事を読み直してみましょう。
この基本を押さえていくだけで、同じ塾に通う同級生、またあなたと同じようにAO入試を受けるライバルと差をつけられるでしょう。