以前の記事(小論文教室3 – 高得点をとる方法)では小論文で問題を正しく理解することが高得点への近道だとお話ししました。
そこで今回の記事は、小論文問題に取り組む時に正しく問題や資料を読み解くコツを紹介していきたいと思います。
今小論文が苦手だと感じている受験生の方も、このコツさえつかめば高得点が取れる小論文を書く力を身につけることができるでしょう。
問題・資料を読み解くポイント
AO受験の小論文試験では資料を与えられ、その資料を参考に書いていく「資料小論文」であることが多いです。
資料小論文は、与えられた資料を正しく読み解いて、的確な回答を行う必要があります。
そのためにはまず「正しく読み解く力」を身につけなければいけません。
試験時間は決まっているので資料を初めから最後まで何も考えずに読んでいては重要なポイントを抑えることができません。
そこで資料文の重要なポイントを抑える読解法をご紹介いたします。
①まずは論点を理解する
資料の筆者は読み手に伝えたいことがあり、文章を書いています。
論点、つまり「筆者は何を問いかけているのか」を探してみましょう。
文中に疑問形で書かれている場合もありますが、そうでない場合もあります。
はっきり疑問形で書かれていない場合は筆者の意見を読み、あなた自身が推測する必要があります。
②結論を読み取る
筆者の意見を的確に理解するために、論点の次は「結論」を探しましょう。
こちらもはっきりと結論として書いてくれている場合もあれば、エッセイなどではあえて遠い言い回しで書かれている場合もあります。
結論を読み取るコツは接続詞です。「つまり〇〇であると言える」「要するに〇〇である」などの接続詞を意識して探しましょう。
③結論の根拠を探す
結論に対しての理由(論拠)を探します。筆者が結論に対して「なぜそのような意見を持っているのか」という理由を述べている部分です。
具体的な例をあげていたり、原因などが示されています。
④筆者の思想を読み解く
資料文の内容は、筆者の価値観や考え方、根本的な筆者の思想が現れています。
もちろん本文中に直接思想や価値観について書かれていることは少ないので
主張や意見、論拠から筆者の思想を読み取っていきます。
筆者が何を問題提起しているのか、結局筆者は何が言いたいのか、またその理由は何かを意識して資料を読むと
筆者の思想や価値観が見えてきます。
複数の資料が提示された場合
小論文試験では資料は複数ある場合があります。その場合には以下のようなことに気をつけましょう。
- この問題があなたに何を問うているのかを考える
- 複数ある資料の共通点と相違点を抑えます。
書く資料には共通したテーマや意見があり、またそれぞれが違う役割を持っています。
それらを読み解いた上でそれぞれの資料の主張を抑えましょう。
数値データの資料を読み解くコツ!
小論文の資料には文章ではなく数値やグラフなどの図表資料というものもあります。
これらの資料には筆者の主張や価値観などはありません。
では数値データなどの資料を読み取るコツを紹介します。
データ概要を理解する
資料のタイトルを読み、何を表したデータなのかをしっかりと理解しましょう。
そして何を対象としているデータなのか、どの機関が発表したデータなのか
また、どんな条件でまとめられたデータなのかなどを抑えておきます。
数値データの傾向を読み取る
数値データの資料はまず全体を把握し、そのあと細かい部分を確認していきます。
まずはデータが突出した範囲など特徴的な部分をチェックしましょう。
そしてデータ内の共通点や相違点などを見つけていきます。
図表資料を読み取る時は「先入観」などにとらわれずに読解することが大切です。
個人の意見や価値観ではなく、絶対的なデータ情報を処理する力を問われます。
客観的な立場で、資料が何を語っているのか、
結局のところあなたに何を伝えようとしているのかを読み取ることができれば
より良い小論文を書くことができるでしょう。