小論文試験は、普段あなたが考えることがないようなテーマを与えられます。
少し小難しいような内容で馴染みのない言葉を使ったり、考えたりするので
あなた自身の意見を書くのはなかなか難しい作業になるかもしれません。
かといって、スマホで調べた情報や、誰かから聞いた情報、テレビの情報など
一般的な考えをただ並べただけの小論文では高得点を取ることはできません。
合格点を取るためには、頭に浮かんでくる意見をさらに一歩奥に踏み入れた深い意見、あなただけの意見が必要です。
そしてもちろんその意見を裏ずけする論拠が必要です。
小論文対策では”あなただけの考え・意見”を絞り出すところで壁にぶつかってしまう受験生の方が多いです。
そこでこの記事ではあなたの意見と論拠を表現するためのコツを紹介したいと思います。
自分の意見を客観的に問いただす
あるテーマに対して、パッと思い浮かんだ意見や考えはほとんどが主観的なものになってしまいます。
これは誰しも同じような結果になります。自分の経験から得た価値観で物事を考えてしまうものだからです。
それが間違っているわけではありません。大切なのはその先です。
最初に浮かんだ考えを、客観的な立場で、なおかつ具体的に問いかけをしてみましょう。
「なぜそう思ったのか?」「その根拠は?」と行ったように疑問を投げかけ、考えを深めていくことで
より深い考えにたどり着くことができます。
例えば、「他人に嘘をつくのはよくない。」という考えに対して、同意見か反対かを考えるとき
まず「同意見」を選んだ場合、なぜ嘘をつくのは良くないのか?という疑問を持ってみましょう。
- あなたがそう思うのはどういう状況の時か
- あなたの周囲に嘘をつく人はいるか
- あなたは嘘をついたことがあるか
- なぜ嘘をついてしまうのか
など、思いついた意見に対して疑問を投げかけて、その疑問に対する答えもメモしていきましょう。
思いついただけの意見ではなく、
意見に対して疑問を問いかけ、答えを出す、そしてその答えに対してさらに疑問を問いかける
というプロセスを経て、主観ではなく客観的な意見にたどり着くことです。
普段考えるようなことがないようなテーマの小論文問題だったとしても
こうして掘り下げて意見を深めていくことで、より具体的で根拠のある意見を述べることができます。
考えを深める6つのポイント
人はそれぞれ様々な価値観や意見を持っています。
自分の経験や価値観で周りの人を見るとどうしても判断が偏ってしまいます。
つまりあなたの独りよがりな意見になりがちです。
読み手が「なるほど」と納得できるような意見を述べるためには
あなた自身の価値観だけではなく、より多くの人が感じること、考えることを取り入れる必要があります。
そのための6つのポイントを紹介します。
①事実を正確に知る
小論文で出題された問題・テーマに関して正しい事実を調べることが大切です。
②問題のバックグラウンド(経緯)を調べる
ある問題に対して、その事柄に至った経緯を調べていきましょう。「いつ」、「どこで」、「誰が」、「なぜ」
と行ったように物事のきっかけを考えていきます。
③客観的な立場で考える
問題について、賛成なのか反対なのかをあなたの考えだけで述べるのではなく、
その問題に関わっている人や事柄などの意見・状況などを取り入れて考えてみましょう。
④日本だけでなく視点を世界に広げて見る
日本で起きている色々な出来事や問題は、日本特有のものであったり、
日本人の考え方や価値観、国民性が関係している場合が多くあります。
視野を広げていくために、文化が違う日本以外の国と比べて意見を深めていきましょう。
⑤専門家の見地を参考にする
問題に関わる専門家(法律問題なら弁護士や司法書士など)の考え方を参考にするのも一つの方法です。
そのジャンルの第一線で活動している人のリアルな意見を取り入れることで、意見の信憑性が高まります。
あなたが専門家でなくても、その問題に対して深い考えを述べることができます。
⑥既成概念を壊す
よく聞くフレーズですが、なかなかこれを実践するのは難しいです。
「当たり前」と思っていることは、自分がそう思い込んでいるという感覚がないので
疑うことすらできないことが多々あります。
例えば、リンゴが木から落ちたのをみて、それが「当たり前」だと思いますよね。
それが普通です。ですが既成概念を壊すことができた人は
リンゴが木から落ちたのをみて、「地球に引き寄せられた!」という新しい視点で見ることができたのです。
あなたの意見や考え方に対して、もう一度「なぜそう思ったのか?」という客観的な視点を取り入れてみてください。
考えを深めることは、「意見」を掘り下げていくこと
「〇〇だと思う」 → 「なぜ〇〇だと思うのか」 → 「△△だから〇〇だと言える」 → 「△△の根拠は?」
と行ったように、考えを掘り下げていくことが思考を深め、よりレベルの高い小論文が出来上がります。
もし根拠がない主観的な考えの場合は、上のように掘り下げて行った時にどこかでつじつまが合わなかったり
説明できない状態になります。説明できないということはどこかに思い込みや希望的観測が含まれている可能性があります。
説明できない事柄を見つけて、説明できる根拠を見つけながら、あなたの意見の深みを出していきましょう。